岩手県での建設業許可取得の要件とは
- 行政書士 井上 知紀
- 2024年4月3日
- 読了時間: 6分
更新日:6 日前
500万円以上の工事を受注したり公共工事に参入したりする場合に必要となるのが建設業許可です。建設業許可を取得することで事業の幅が大きく広がります。
こちらの記事では岩手県内で建設業を営まれている方に向けて、岩手県の手引き・手続きをベースに建設業許可の要件について詳しく解説します。
~目次~
1.建設業許可の要件
5.まとめ
1.建設業許可の要件
建設業許可を取得するためには、大きく分けて以下の6つの要件を満たす必要があります。ます。
1)経営業務の管理責任者がいること
2)適切な社会保険に加入していること
3)各営業所に専任の技術者がいること
4)請負契約に関し不正または不誠実な行為をするおそれがないこと
5)十分な財産的基礎または金銭的信用があること
6)過去に一定の法令や規定に違反した者でないこと
このうち2・4・6については手引き上での確認が簡単なため、こちらでは解説が必要と想定される1・3・5について取り上げます。
2.経営業務の管理責任者がいること
建設業は工事請負金額が多額で工期も長期間に及ぶ場合があり、さらに施工・引き渡し後も長期的に責任を負います。
施行中や引き渡し後すぐに倒産してしまってはその責任を果たせないため、依頼主が安心して契約できるように安定的な経営が求められます。
そのような背景があるため、建設業許可取得に際しては経営者に一定の要件が定められています。
その要件が下記(1)と(2)のいずれかです。
(1)常勤役員等のうち1人が、建設業に関し次のいずれかに該当する者であること
5年以上経営業務の管理責任者としての経験がある
5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として、経営業務を管理した経験がある
6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として、経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験がある
(2)常勤役員等のうち1人が下記①か②に該当し、かつ常勤役員を補佐する者が③~⑤のいずれかに該当する者
◼︎常勤役員等
①建設業に関し2年以上役員等としての経験があり、かつ5年以上役員等または役員等に次ぐ職制上の地位にある者としての経験を有する
簡単な図式に表すと下記のようになります。
「建設業の役員等経験2年 + 建設業の役員等または役員等に次ぐ職制上の地位経験5年」
肩書きではなく地位が重要であるため、仮に役員ではなく営業部長であっても、役員等に次ぐ職制上の地位にあったのであれば経営管理者として認められる余地があります。
③5年以上役員等としての経験を有し、かつ建設業に関し2年以上役員等としての経験を有する者
こちらも簡単な図式に表すと下記のようになります。
「他業種での役員等経験5年 + 建設業の役員等経験2年」
◼︎常勤役員を補佐する者
①5年以上の財務管理業務経験のある者
②5年以上の労務管理業務経験のある者
③5年以上の業務運営業務経験のある者
一般的に「経営業務の管理責任者」は「経管」と略されます。
経営業務は法人個人を問わないため、個人事業主として事業を開始した後に法人化した場合でも、個人事業主としての経歴を通算することができます。
3.各営業所に専任の技術者がいること
専任技術者とは、建設工事に関する専門的な知識や技術・経験を有する技術者のことです。建設業許可を受ける業種ごとに、必要な資格や実務経験が定められています。
例えば建築一式工事の場合、一級建築士や二級建築士などの資格が必要です。また、土木一式工事の場合は一級土木施工管理技士や二級土木施工管理技士などの資格が必要です。
専任技術者は営業所運営の統括責任者として、営業所の適切な運営・請負契約の適切な締結・履行の確保に向けた技術指導を行います。
そのため専任技術者となりえる人の要件が細かく定められており、下記3つに分けられます。
取得したい建設業許可業種に応じた国家資格を有する者
取得したい建設業許可業種に応じた学歴と一定期間以上の実務経験を有する者
取得したい建設業許可に関する10年以上の実務経験を有する者
上記の順番通りに検討していくと申請に際し負担が少ないです。
「実務経験」とは建設工事の施工に関する技術上のすべての経験を指しますが、雑務や事務は該当しません。
また専任である以上、他の営業所との兼任は認められません。
私がご相談いただく中ではこの「専任技術者要件」を満たせず、許可申請を見送る事業者様が一番多いです。自分が取りたい建設業許可を早めに調べ、コツコツ資格取得を目指すことが有効と言えます。
4.十分な財産的基礎または金銭的信用があること
建設業許可を取得するためには、一定の財産的基礎があることも必要です。具体的には以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
(1)自己資本の額が500万円以上であること
(2)500万円以上の資金調達能力を有すること
→金融機関から発行される預金残高証明書または融資証明書等で証明(岩手県の場合)
(3)許可申請前の過去5年間許可を受け継続して営業した実績を有すること
上記のうち(3)は業種追加の場合のため、全くの新規申請の場合は(1)または(2)にて検討します。
自己資本に関し法人の場合は「純資産」のため分かりやすいですが、個人事業主の場合は少々計算が必要です。
個人事業主の場合は下記数式の通りです。
「期首資本金 + 事業主借 + 事業主利益 ー 事業主貸 」
言葉で書くと分かりにくいため図にすると下記の赤枠部分になります。

個人事業主の場合の計算は難しいため、所轄庁や専門家の行政書士に事前相談することをおすすめします。
法人は資本金が500万円以上あっても繰越利益剰余金がマイナスの場合、純資産が500万円を下回っている場合もありますのでよく確認しましょう。
また(2)に関し補足すると、疏明資料は預金残高証明書または融資証明書等となります。
融資残高証明書(現在の融資残高を表す書類)ではありません。
仮にすでに500万円の借入があったとしても、それは500万以上の資金調達能力を有しているとは見なされません(建設業許可に関し)。
5.まとめ
ここまで建設業許可について主要な許可要件について確認してきました。
建設業許可の取得は、建設業を営む方にとって多くのメリットをもたらします。しかし、そのためにはいくつかの要件を満たす必要があります。
岩手県内で建設業を営まれており許可取得を検討されている方は、この記事で解説した要件を参考にしていただきしっかりと準備を進めてください。
もし、建設業許可の取得についてご不明な点やご不安な点がございましたら、行政書士いのうえ法務事務所までお気軽にご相談ください。
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